ペンパイアーズ
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美少女戦隊アンジェリカー 
原作・新海 花珠
漫画入り口
「アンジェリカー」製作エピソード
物語が出来るまで
◆全てはイエローナッツから始まった!
2003年12月1日、私が主催(?)している草野球チーム「イエローナッツ」のウェブページを設立し、私はそこに「嗚呼っ草野球賛歌っ!(のちに「嗚呼っ草野球賛歌っ!!」に改題)」というタイトルの4コマ漫画を掲載しました。私にとっての「ネットマンガ」はここから始まりました。
はじめは月に2回程度の更新を想定していたのですが、どういうわけか、ほぼ週刊ペースで一回の更新につき2話ずつ作品を描くようになりました。で、結局4コマ漫画の自主“連載”は2006年の1月ごろまで続けました。
その間、ウェブ上で発表するためのストーリー漫画の企画も、水面下で密かに進行させていました。そしてその作品は草野球チームのサイトの片隅にそっと掲載するのではなく、作品を発表することを目的とするサイトに堂々と載せるつもりでした。
◆尽きぬ悩み・・・
しかしですね。なんといいましょうか・・・絵のクオリティをですね、どうやってネット上で上げていくのか、その技術的な問題の解決方法を、当時の私はまったく持ち合わせていなかったのです(「腕」は別にして)。
どういうことかといいますとですね、ようはペンタブレットというものの存在をよくわかっていなかったのです。そういうものがある、ということは知っていてのですが、勝手に「もの凄〜〜く値が張るもの」だと思い込んでいて、それを手に入れよう、って発想がなかったんですね。
ちなみに上記の4コマ漫画は、普通の原稿用紙にペンで描いて、水彩絵具で彩色して、それをスキャナーで読み込んで、ウェブに掲載してたんです。はじめはこの手法をストーリー漫画にも適用しようと思っていたのですが、な〜んか、自分のイメージと違うんですよね。これだと。第一、どうにもこうにも絵が安っぽく感じられたんです。
で、次に考えたのが、取り込んだペン画にフォトショップで彩色する、というやり方だったんです。これだと大分、自分のイメージに絵のクオリティも近づいたのですが、、やっぱ原稿を取り込むって時点で・・・どうもいかんのですよ。かなりいいとこまできてるんですが、、説明するのは難しいんですけど、やっぱイマイチだったんですよねぇ。。(もっとも、今から考えればスキャンしたときの解像度をもっと上げてれば基本的には問題なかったんですが、当時はそういったこと自体、知識がなかったんで。。恥ずかしながら)。
で、結局、連載第1話全16ページを描きあげたのですが、ボツにしました。
◆そして我が家にペンタブがやってきた!
そんなこんなで漫画作りに完全に行き詰ってしまった私を救ってくれたのは、中学時代からの友人M・S君のこんなひとことでした。
「新海、ペンタブって思ったより安いみたいだよ。ほら、前に新海がどうせ高いからいいやっていってたけど、そんなでもないみたいだよ」
彼がたまたま見た折り込み広告にペンタブが載っていたのです。今から考えるとあまりにこっけいな話なんですが、それでようやく私はペンタブをネットで検索してみたんです。いや、なによりときどき秋葉に行っていたのに、ま〜ったく売り場でペンタブに目を向けてなかったんですよ、それまでの私は!
バカでした!マジでバカでした!いや、これも運命ってヤツなんでしょうか?江原さん風に言えば「必然」ってヤツだったんでしょうか?私は2006年の冒頭に、ようやくペンタブを購入したんです!
ああ、ペンタブよ!ペンタブ!どうして貴方はペンタブなの?
自分が思い描いていた絵柄をいとも簡単に描くことが出来てしまうペンタブ!
デビューする前、おそらく計100万円以上は購入したであろうスクリーントーンももう買わなくていいんだね、ペンタブ!
だから風呂に入ったときに、もう湯船に、トーンの切れ端が浮かぶこともないんだよね、ペンタブ!
いや、そもそも原稿用紙も、Gペンも製図用インクもいらない!手も汚れない!描き間違えてもホワイトかける必要もない!原稿が乾くの待って、おっかなびっくり原稿を保管する必要もないんだね、ペンタブ!
ワコムさんありがとう!やっぱりメードインジャパンだ!
ときのクリントン大統領が、米国憲政史上初めて電子書類にサインした際に利用したペンもワコムの電子ペンだったんだ!
(これ発明したの、ワコムさんなんですってね。所さんの番組でやってた。いやあ、素晴らしい!日本の将来は明るいや!)
・・・ああ、すっかり興奮して、思わず我を忘れてしまいました。
話を戻します。
で、購入したペンタブを使って、私が初めて描いた漫画をウェブに掲載したのが同年5月1日のことでした。タイトルは「美少女戦士まりもちゃん★」。計20ページの読みきり漫画。上記4コマ漫画同様、イエローナッツのサイト上にて発表しました。
◆飛田まりも
さて、これでいよいよもって思う存分漫画が描ける!と思ったのですが、いざ描く段になって、今度は何を書こうか、ってことで悩みだしてしまったんです、わたし。
はじめは上記のボツにした漫画(ジャンルはラブ・コメ)をあらためてペンタブ使って描き直そうと思ったのですが、ど〜も、しっくりこないんですよねぇ、これもうまく説明できないんですけど。
ほかにも色々お話考えたんですけど、どうもネットとの相性が合わなかったり、資料をそろえるのが大変だったり、ペンタブの潜在能力に私の技術が追いつかなかったりで、、どれもボツになりました。
そして、最後に残ったのが、この「美少女戦隊アンジェリカー」という企画だったのです。
物語の主人公「飛田まりも」。このキャラを生み出したのは2003年の初め。上記4コマ漫画「嗚呼っ草野球賛歌っ!!」の一主要キャラとしてでした。しかしですね。自分なりにSEO対策なんかをやっているうちに、この飛田まりも「主役」の座を掴むんですね(この辺の詳細について興味がある方はこちらをご覧下さい)。ええ、描いてるのは私なので、こういう他人事みたいな表現はおかしいんですがね、本当は。でも、本当に我ながらそう思うんですよ。飛田まりもがその意思で主役の座を掴んだって感じなんです。
しかもその流れで、ごく自然に、私にとっての「ペンタブ処女作」における主役の座も、まんまと彼女が掴んじゃうんですね。
まあ、もうちょっと具体的に、といいますか、説明っぽく書きますと、初めてペンタブ使って漫画描くのは、やっぱ描きなれたキャラにしたかったんです。描き易さって点でもそうですし、新しいキャラをいきなり見せるより、当時4コマ漫画見てくれてた仲間や、わずかながらですが、毎週のように見てくれていた読者のためにも、飛田まりもを使うのがごく自然な成り行きだったんです。
で、そのままの流れに乗るのが一番かなぁ、と思い、ここでもこのキャラクターをそのまま流用したわけです。
「美少女戦隊」って形にしたのも、ようはペンタブ処女作「美少女戦士まりもちゃん★」からのごく自然な流れを汲んでのことです。もっとも、「美少女戦士まりもちゃん★」の方は4コマ漫画からの流れで、完全にコメディ漫画。に対しこちらの「アンジェリカー」は多少シリアスですが。
う〜ん、でもあらためて、こうやって振り返ってみて、どうしてこの話を描く気になったかってことを説明してみようと思うと、どうしても、こういう表現になっちゃうんですねぇ。
◆美「少女戦士」
等といいつつ、この作品にしよう、と最終的に決断を促した理由が、実はほかにもう一点だけあります。漫画の入り口のページに記しましたが、それはヘンリー・ダーガーという作家の存在を知ったからなのです。
これを描こう、、でも本当にこれでいいのかなぁ?俺が本当に描きたい漫画って、他にあるんじゃないかなぁ?、、なんてまだほんの少し迷っていたとき、たまたま新聞で知ったのが、このヘンリー・ダーガーという作家の存在でした。
詳細は他に譲りますが、彼はいわゆるアウトサイダー作家といわれる存在で、書き記していたその「大作」を彼は本来他人に見せることなど想定していなかったんだそうです。が、長く一人暮らしを続けていた彼が、入院先の病院でひっそりと息を引き取ったあと(サイトによっては亡くなる直前に)、彼が暮らしたアパートの大家が、彼の遺品を整理しようとその一室に足を踏み込んだ際、発見されたのが、ダーガーがその生涯をかけて書き上げた計300枚にも及ぶ挿絵と、1万5千ページにも上る物語「非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子ども奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語(The Story of the Vivian Girls, in What is Known as the Realms of the Unreal, of the Glandeco-Angelinnian War Storm, Caused by the Child Slave Rebellion)」だったのです。
ちなみに、物語の要約はこうです。
「子供を奴隷にする残虐な大人たち、グランデリニア軍との死闘を繰り広げる七人の少女戦士、ヴィヴィアン・ガールズの物語」
<「BOOK」データベースより ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で(大型本) ジョン・M.マグレガー(著)John M. MacGregor(原著) 小出 由紀子 (翻訳)作品社(2000,05)>
私は彼と彼の作品の存在を知ったとき、ちょっと大袈裟に言うと「天啓」を受けたような気がしたんです。「迷うな!少女戦士ものを描け」って。ほ〜んと、メチャクチャ手前勝手な話なんですが、ね。
ま、とにかく、こういった流れ、といいましょうか、考え、とでもいいましょうか、以上に記したような情況や段階を経て、私は「美少女戦隊アンジェリカー」を描くに至りました。
★第1話「目覚め」
いやあ、描き始めてあらためて実感したのは、ペンタブの持つ潜在能力の高さですね。優れている点を上げればきりがないのですが、私はなんといっても、簡単に描き直せる、って点を一番に上げたいと思います。
でもね、これはある意味、諸刃の剣なんです。簡単に書き直せるってのは。描き手にとっては危険ですね。多分ほっといたら永遠に描き直し続けちゃいますよ。描けば描くほど、欲が出てきますし、なんちゅうか、とにかくその気になったらどうにもこうにもキリがないんです(しかも悲しいことに、おいらには締め切りとかありませんし)。
例えばですね、実際今回なんかは、恐らく読む際はサラッと通り過ぎちゃったと思うんですが、7ページの一コマ目。あの「つなぎ」のカットも、ペンタブの潜在能力の高さに翻弄されて、結局修正に修正を重ね、自分と折り合いをつけるのに、3日かかりました(苦笑)。わたしアホですか?はい、アホです。
一応ですね。描き終えますよね、一旦は。でもですね、床についた瞬間、「あっ、ああしたほうがいいかな?」「やっぱこう描くか?」なんて、ついつい考えちゃうんですよ。それでもね、普通なら一旦出来あがったものは、「諦める」んですが、繰り返しになりますが、なんつってもペンタブってのは、いとも簡単に描き足せたり、画き直したりができちゃうんでねぇ。。結局次の日起きて、描き足したり、描き直しちゃったりしちゃうんですよねぇ。よしゃあいいのに、一度そうなっちゃうと、遺憾なく妙な「こだわり」を発揮しちまうんです、俺ってヤツは。
こだわりついでに、もう一点。描く際、具体的にこだわった「部分」でいうと、学校の小道具ですね。例えばですね、黒板、じゃあないんですよ。気付きました?ホワイトボードです、教室にあるのは。13ページに出てくる宮崎先生のイメージシーンでも、その手にしているのは白墨ではなく、ホワイトボード用のペンなんですよ。
それから、生徒達が使っている机と椅子。一見、ありがちなタイプの机と椅子に見えますが、机や椅子のパイプ部分、こだわってデザインしました。それと、あまりはっきり描けたシーンは今回ないんですが、椅子の背もたれも、実はハート型になってます。次回以降、出てくる?かもしれません。
校舎も参考資料に捉われない様に、自分のイメージを優先してデザインしました。
P・S:あなたは怖い夢を見ていて「ガバッ」と起きたことありますか?冷や汗とかかいて。漫画ではよくありますが、、そんな経験、実際にしたことある人どれくらいいるのでしょうか?え?わたしですか?実はこれまでの人生で、たった一度だけですが、あります。
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